加藤仁 『定年後をパソコンと暮らす』 文春新書 ★★★★ 定年後の生活をパソコンでいっそう意義あるものとした22人の事例集
定年後の生活のはりとしてパソコンを活用している22人の事例集。
年商一億円を稼ぐひとから、障害者向け職業パソコン指導、世界の路面電車の写真公開のなど、その利用法はさまざまだが、著者のジャーナリストらしい淡々とした文章の中から読み取れて興味深い。
あとがきにもあるように「ハードやソフトの供給サイドに立つ人たちも、自分たちの想像を超えた、暮らしの道具としてのパソコン活用法に驚かれるのではなかろうか」とあるように、マウスよりトラックボールの方が使いやすいや、コントロールやシフトとの組み合わせを前提としたインターフェイスは片手では使いづらいなど、はっとする指摘も多い。
一エンジニアとして興味深かったのが、事例5の「山間の農家と料亭を直結する端末機」。
料理に添える“つまもの”の直販をする仕組みらしいのだが、全日出荷した分にいくらの値がついたかパソコンでわかるものらしい。
この本はジャーナリストの立場からの報告だが、そこでどんなパソコンソフト、ハードが使われ、どんな苦労、工夫があるのかパソコン屋の立場からの報告を誰か書いてほしい(人任せ)。
温かい視線のとてもいい本なのだが、画像にはないが、帯びに「退屈なはずだった定年後が…」とあったのは失礼すぎ。


