角田光代 『あしたはうんと遠くへいこう』 角川文庫 ★★★★ 17歳からの32歳までのダメ恋愛惨敗記録
恋愛を取ったら何も残らない「情念系セックスドラッグロケンロール」の主人公の17歳からの32歳までのダメ恋愛惨敗記録。
それは見事な敗れっぷり(破れっぷり)で、主人公は新しい恋を得ても「どんなふうに終わるか予測ついちゃう」境地にまで達してしまう。「疑問はやばい。想像はやばい。」と恋愛以外の自分を作るのを拒否した主人公には、もちろん恋愛を取ったら何も残らない。
何も残らないから、ただその場の恋に対してのみ懸命になってしまう姿はイタい。
各章には、(おそらく)ロックをモチーフとして曲名がつけられているが、どれも知らないので理解が足りないかも。
男性の身としては、主人公自身にも、その先に透けて見えるダメ男たちにも、かけらも共感できないが、女性なら共感できる点があるのだろうか。ただ、共感しすぎるのは「やばい」けど。


