姫野カオルコ 『不倫(レンタル)』 角川文庫 ★★★
著者 姫野カオルコ
出版 角川書店
価格 552円 (税抜)
ISBN 4-04-183509-7
出版 角川書店
価格 552円 (税抜)
ISBN 4-04-183509-7
評価 ★★★
わからない空回り
30代、アッシュ作家、処女の主人公にやっと訪れたロマンス。フランス式の妻帯者相手に無事ワンセット10ゲームたどり着けるのか。
30代で未経験というのが女性にとってどの程度セツジツなのかわからないけど、不倫相手が恋の苦しみを語っているときに「バイブが悩むな!」では、恋や女性に対する幻想もありゃしない。
そういったフェミニズムの範疇外として主人公を描いたのはいいけど、友人からは「ロボットみたい」といわれ、主人公は「なんで悩むのかわからない」と繰り返す。わからない同士が存在するだけの空回りの世界。コメディとしてはいいけど、で、どうするの?
両親はなぜいないのか、三島由紀夫は本物だったのか、「叔父なる人」は誰なのかといった謎が最後に一つに統合されたかというとそうとも読めず、私小説にありがちな“局面を増やして混乱させただけ”で、ちょっと消化不良。澁澤龍彦で始まり澁澤龍彦で終わったところにヒントが隠されているのかも。


