角田光代 『人生ベストテン』 講談社 ★★★ 孤独な人生の旅の途中を描いた短編集
寝つけない夜は、ベットのなかで薄い水割りを飲みながら、我が人生のイベントベストテンなどを思い浮かべてみる。自虐的な趣味だと思うが気がつくとやっている。これをやると、主だったできごとは、すべて十八歳までに集約されていることがよくわかる。(P.174)
人生に居場所が見つけられないまま、これまでの旅程と、これからの旅程に悩む6編の短編集。
彼女の部屋と自分の部屋を行き来していて「すごく長い旅行をしているような気分」になったり、「帰ったらもう家から彼の荷物は全部なくなっているかもしれない」と望んだり、「なじみのない町にマンションを買い、引っ越すことで何もかもがすっきりと好転し出すはずだ」と信じたりする主人公たち。誰もがナニカマチで、もう少し何かあってもいいかと思うけど、ないのが角田光代らしい。
人生ベストテンはやっぱり自虐的だと思うので、まだしない。


