山田雅夫 『スケッチは3分』 光文社新書 ★★★★
この本、スケッチのスキルを身につけるために書かれたものには違いないのですが、読み進めていくうちに分かるとおり、随所に論理的・工学的な観点からの考察が行われています。それは私の出身が美術ではなく、工学の分野であることがおおいに影響しています。その意味で読者の感性ではなく論理的思考に訴える、従来にはないタイプのスケッチ本といえるでしょう。(P.4)
もっぱらエンジニアなので絵どころか、文字を書くことにすらコンプレックスがある。この提案書の片隅にちょっとアクセントが欲しいときに、絵ごごろのなさを痛感する。
この本では3分で、簡単なスケッチを描く「ちょいスケ」テクニック集。直線の書き方から、円、曲線の練習、右上がりの構図の推奨(右手で描く場合)といった基礎的テクニックから、パラペットや消点の意識など、工学的テクニック、描きにくいものは描かない、影の省略、繰り返しの省略など3分で描くための実践的テクニックも紹介。
「描きたい部分の特徴を強調して描く(P.34)」、「モノを単純に写し取るのではなく、それが持っている「意味」を反映させた線(P.86)」など、「写実」という束縛を脱した「ちょいスケ」の極意も書かれている。
今日からでも実践できる(したい)平易な内容。もちろん必要なのは、まず練習なんだけどね。


