瀬尾まいこ 『強運の持ち主』 文藝春秋 ★★★ 瀬尾まいこにしては毒気がなさ過ぎ
通彦の姓名、生年月日を調べていくうちに私はとても驚いた。通彦は私が占った中で、かつてない強運の持ち抜きだったのだ。とにかく運が強く、大成功をなす。ずば抜けた才能を持ち、豊かな人生を送る。姓名判断の本にも、四柱推命の本にも、同じことが書かれていた。(P.22)
ルイーズ吉田。元OLで、今はショッピングセンターの占い師。「とにかく、いろんな手を尽くして」手に入れた通彦と同棲中。でも通彦は市の職員で、今だ何もなし遂げてはいない。
「お父さんとお母さんどっちがいい」か占ってほしいという八歳の少年や、「気を引きたい人がいる」という女子高生、「おしまいが見える」という学生相手に奮闘する。
その相談者や師匠ジュリエ青柳は魅力的なんだけど、肝心の主人公に魅力が感じられない。瀬尾まいこにしては毒気がなさ過ぎで、期待が高かった分、ちょっと残念。
帯の「がんばって。きっといいことがあるわ」という陳腐な煽り文句で気がつかなきゃいけなかった?


