2006年12月18日

中野麻美 『労働ダンピング―雇用の多様化の果てに』 岩波新書 ★★★ 力作だけどジェンダー論を読みたいんじゃないんだ

労働ダンピング

著者:中野麻美

出版:岩波書店

価格:780円 (税抜)

ISBN:4-00-431038-5

評価 ★★★

 「無料お試しキャンペーン実施中!一週間無料、一ヶ月35%オフ、三ヶ月13%オフ」。こんなチラシを手に、営業マンが競合他社の得意先を回って契約をとっていくことが、実際に、ある地域で行われていた。これはコピー機のリースではなく、人間のリース、つまり労働者派遣契約の激しい争奪戦の一コマである。(P.4)

労働者派遣の規制緩和によって派遣労働の低賃金化、ひいては正社員にも派遣と比較して割高ではないことを示すために、成果主義や歩合による「労働の商品化」がすすんでいることで、格差や少子化、社会参加の阻害などにつながっていることを指摘する。その解決のために、男性仕事モデルから女性仕事モデルへの転換を提言。

力作ではあるんだけど、同じ内容の繰り返しが多く、ページあたりの段落も1から2しかない。新書としては読みづらい。ワーキングプアや日雇い派遣等の最新事情を期待したんだけど、ジェンダー論にすり替えられてしまった感じ。こういったのが読みたかったんじゃないんだけどなぁ。