加納朋子 『ささらさや』 幻冬舎文庫 ★★★ 夫が他人に乗り移って助けに来るライト奇譚
馬鹿っサヤ。自分はユウ坊におっぱいをやらなきゃいけないから、喪服は前開きじゃなきゃいけなくて、伯母たちと違って、今の若い女性だから和服は着慣れていなくて、一度胸元をゆるめたりしちゃったら、自分じゃなかなか元に戻せなくて……どうして面と向かってそう言えないんだよ。(P.24)
生まれたばかりの息子と、内気な妻を残して交通事故で死んでしまった夫に、なぜか与えられた成仏までの猶予期間。しかも夫がみえる人には一度だけ乗り移る能力があり、その能力で妻子のピンチには駆けつける。
加納朋子らしい日常ミステリテイストで、だんだんと夫の視点から、一般の視点に変わって描かれているのが、永遠の別れが近づいていることを読者に感じさせる(これで生き返っちゃったら香山リカに怒られちゃうからね)。
三婆の再登場希望。


