滝田誠一郎 『人事制度イノベーション 「脱・成果主義」への修正回答』 講談社現代新書 ★★★ 成果主義を超えた人事制度の提言
しかし、もはやそういう時代ではない。現行の人事制度がそのときどきの経済環境、経営状態、事業ニーズに合っているかどうかを短いサイクルで見直し、検討を加え、必要に応じて改正するなり、新たな制度を入れるなり、そういう不断の努力が必要であり、その努力を怠れば人事制度がアッという間に機能しなくなってしまう-そういう時代なのだ。(P.13);
導入してみたものの労使も、ベテランも、若手も満足度の低い成果主義を超えて、広く企業を聞き取り調査した経験から、新たな人事制度を提案する。
提案されている「ジェネレーション・ギャップ賃金制度」や、「フリンジ・ベネフィット制度」は、ベテランも若手も納得できるし、モチベーションの向上に役立つだろう(原資に乏しい企業は難しいだろうけど)。思考実験としては楽しい。
ただ人事制度をいじるということは、社員の人生をいじるということだ。経済環境や事業ニーズの変化は当然あるだろうけど、経営者は経営のツケを労働者に回すのに人事制度を利用するのではなく、社員の生活の安定を考えないと、どんな制度もモチベーションや生産性の向上にはつながらないけど。


