2007年02月18日

片田珠美 『こんな子どもが親を殺す』 文春新書 ★★


こんな子どもが親を殺す

著者 片田珠美
出版 文藝春秋
価格 710円 (税抜)
ISBN 978-4-16-660553-8

評価 ★★
親の期待が子供を追い詰める一般論

昨今親殺しで逮捕されている若者の多くは、少なくとも報道されている事実から判断する限り、統合失調症などの精神病に罹患しているようには見えない。そのため、いったいなぜ彼らが親を殺したのかを分析することによって、現代の若者に共通する病理をとらえることができるのではないかと考えたのである。(P.10)

 2004年から2006年までに起こった8件の親殺傷事件を精神科医の立場からとらえた解説。

 書名がセンセーショナルすぎるけど、内容は一般的すぎ。

 帯には「ボクが親を殺したかった理由」とあるけど、新聞や雑誌からの情報だけでは、「ボク」への踏み込み方があまい。問題を「ボク」より親の教育や環境に還元していて、「こんな子どもが親を殺す」というより「こんな親が子どもに殺される」のほうが内容に合っている。

 むすびで発表している処方箋も、「1.過度の期待は禁物」、「2.母子密着は禁物」、「3.抑止力を高める」、「4.危険信号を見逃すな」、「5.早めの相談を」と普通すぎで、即効性もない。


アマゾンへ

片田珠美 『こんな子どもが親を殺す』 文春新書