2007年03月24日

小池真理子 『夜は満ちる』 新潮文庫 ★★ 短編だからかもしれないけどひねりがなさ過ぎ

夜は満ちる

著者:小池真理子

出版:新潮社

価格:438円 (税抜)

ISBN:978-4-10-144022-4

評価 ★★

渦を巻く霧の中、夥しい数の蛍は悠然と泳ぐようにして沼の上を飛びまわる。点だった光が線になり、線だった光が束ねられて輪になり、弧を描く。やがて輪が崩れ、再び線になり、点に戻る。その光の競演が、沼の黒々とした水の面に映し出され、そこに霧が流れてきて、時折、視界に白いヴェールがかけられる。(P.255)

苦手なホラー小説だとは知らなくて買ってしまった。名前の響きだけに釣られてはいけないね。

7編からなる短編集で、色の表現や、雨や霧などの舞台装置、ときたま難しい字を使うことによってできる文章の粘質化など、文章としてうまい(どれも女性視点の一人称だったけど、他の書き方もできるのかな)。

ただ短編だからなのか、ストーリーにひねりがなくて、どれもパターンが同じでもったいない。