2007年04月06日

若桑みどり 『お姫様とジェンダー―アニメで学ぶ男と女のジェンダー学入門』 ちくま新書 ★ ジェンダー論の薄っぺらさがよくわかる入門書

お姫様とジェンダー

著者:若桑みどり

出版:筑摩書房

価格:680円 (税抜)

ISBN:978-4-480-06115-7

評価 ★

絵本が、童話が、アニメが、そしてデパートの売り場やホテルまでもが、小さい女の子に「プリンセス」の夢を売りつづけ、「プリンセス・ファッション」を売り、「一日プリンセス教室」を開き、プリンセス文具を売っている。デパートはピンクの夢を女の子に売って利益をあげればいいが、夢を買った子はいつか幻滅するのである。大人は「どうせそんな夢は実現しっこないさ」と知っていて売るのだが、女の子は決して実現されない夢を買わされているのである。(P.42)

学問として歴史や社会、“常識”の中に性差による差別があることを学ぶことはとても重要だと思うが、それが安易な資本主義(消費主義)批判と結びつくと、こうまで矮小化されるのかとがっかりを通り越して驚き。

ディズニーのプリンセスアニメを見せて、川村学園女子大学の学生に感想を書かせる形式だが、まるで言葉狩りのように、差別的な部分を攻撃するだけ。自分の内面にあるものさえ、男性に植えつけられたものだと全否定してしまっては、一体女性に何が残るのか。

しかも学生の感想が、大学生にしてはあまりに文章が幼稚。「みな自覚のあるすばらしい女性に成長してくれた(P.195)」らしいが、教授と学生の立場は平等ではない。今日日の学生は、いい成績をもらうためなら、教授のご機嫌だってうかがう。

女性には、こんな薄っぺらな議論はサクッとクリアして、したたかに輝いてもらいたいね。