2007年04月21日

山本文緒 『ブルーもしくはブルー』 角川文庫 ★★★★ もう一人の“幸福な”自分をめぐるりミステリ

ブルーもしくはブルー

著者:山本文緒

出版:角川書店

価格:460円 (税抜)

ISBN:978-4-04-197002-7

評価 ★★★★

 正しい選択をした私が、違う土地で幸福に暮らしている。知らなければ知らないで済んだことなのに、私は知ってしまった。もうひとつの人生、それも正しい人生が、別の場所で営まれているのだ。私は選び間違えた。きれいな見かけに騙されて、私は欠陥車を選んでしまったのだ。埃をかぶっていたもう一台の車こそ、人生を快適に走りきる性能のいい車だったのだ。(P.65)

女性なら誰もがしてみる(らしい)、“もしも別の男を選んでいたら…”。思考遊びに過ぎないはずなのに、もうひとつの“幸福な”人生を選んだドッペルゲンガーが現れるほんのりミステリ。

本体の蒼子Aと、影の蒼子Bの描きわけもよく、一気に楽しめる小説。ほんのりミステリ、ほんのりSF、ほんのりサスペンスな題材を、恋愛小説仕立てでどうぞ。