倉都康行 『世界がわかる現代マネー6つの視点』 ちくま新書 ★★★★
金融市場においては、価格変動は秒単位で変化するのが観察できる。同時に、世界の金融システム自身も時々刻々と動いているのだが、それは時計の秒針と時針のような関係にあるため、後者の改革の様子は視覚的にも感覚的にもわかりにくい。(P.8)
上の例えが適切化は疑問だけど、内容は教科書に載ってない現在の金融の構造や仕組みが6つの視点でとてもわかりやすくまとめられている。その6つの視点がバラバラではなく、関連し合っているがいい。
日本の国債についても、安全な運用先として重要な投資先のひとつであることや、もはやアメリカをファイナンスしているのは日本ではないなど、いままで信じていたことが覆されるのも楽しい。
特にファンドや新オイルマネー、BRICsなどの新興国のマネーの流れ、ドル一極からユーロを含めた分散など、知っておきたいことが多い。
かといって著者は盲目的な”市場信者”ではなく、市場の独立=保守化を危惧するバランス感覚も共感できる。
これから海外にも積極的に投資していかなくてはならない日本の投資家として必読。


