御立尚資 『使う力 知識とスキルを結果につなげる』 PHPビジネス新書 ★★★
成果主義の名の下に、同じ経験年数でも報酬や処遇に大きな差が出る時代になった。多くのビジネスパーソンが、もっと勉強せねば、経営知識をもっともっと獲得せねば、という不安に苛まれるのも、よくわかる。
でも、本当に大事なのは「知識」×「使う力」で結果を出すということ。(P.5)
わかったようでわからない(と著者も書いている)「使う力」を、入り口となる知識やスキル、企画立案、コミュニケーションから定義し、育てていこうとする試み。
「使う力」を定義するために「ビジネスリーダーが果たすべき役割に即している」、「スキルとして、習得方法が明らかにされていること」、「普段の仕事の中で身につけるという意識を持てば、力を伸ばしていけること」という3つの必要条件を設定し、それを因数分解して、「使う力」=「情報収集力×分析力×想像力×統合力×モチベーション喚起力×規律徹底力×仕組み構築力×ロジカル・シンキング×図解の技術×モデル構築×定量化×グラフ発想×クリエイティブ・シンキング×プレゼンテーション×ファシリテーション×ネゴシエーション×アクティブ・リスニング×コーチング」と定義している。
これは、ほぼ「静的知識以外すべて」といった概念で、広大すぎ。
PHP系知識人らしく、この簡単には到達できない概念を、きれいにまとめているので、なんとなく分かった気になってしまうんだけどね。
「いま必要なのは××力だ!」と常に考えていれば「使う力」(の一部)も育つのだろうけど、なかなか実務に追われているとね(と逃げてみたり)。
ただこの本の中で即効性があるのは、「日本人の中には抜きがたく『苦しむこと=努力すること』という意識が染み付いてしまっているような気がしてならない。(P.165)」という記述。
努力するのは成果を挙げたいからで、「努力すること」=「成果」にならなきゃいけない。「苦しむこと」=「努力すること」なら、「苦しむこと」=「成果」という三段論法が成り立ってしまう。これは望んだことじゃない。
今度知ったかぶって誰かに話そう。


