2007年12月03日

門倉貴史 『派遣のリアル』 宝島新書 ★★★★


派遣のリアル

著者 門倉貴史
出版 宝島社
価格 720円 (税抜)
ISBN 978-4-796-66029-7

評価 ★★★★
宝島らしい軽いフットワークでリアルさが伝わってくる

 たとえば、雑誌「日経WOMAN」(2007年4月号)が働く女性137人を対象に実施したアンケート調査の結果によると、派遣社員として働く女性にうち、現在のワークスタイルに満足している人は約35%にすぎなかった。

 その一方、正社員として働く女性は、約85%が現在のワークスタイルに満足していると回答しており、正社員と派遣社員ではワークスタイルの満足度に大きな違いがある。(P.98)

 最近この手の本を読みすぎなことは承知の上で、また読んでしまった。

 インタビューや調査から、派遣労働は、「労働は商品ではない」というフィラデルフィア宣言どころか、昇給なし、安定なし、技能習得なしの生産材料として扱いを受けることもあると指摘。

 とくに派遣会社の正社員やスタッフの話を聞けたのは宝島らしくて良かった。

 インタビューでちょっと気になったのは、若い人ほど、現状肯定が多いようなこと。

 IT業界も3K(7K?)といわれ、労働環境も厳しいし、偽装請負、二重派遣が横行している。協力会社(という名の派遣元)の若手に「今月は残業をいっぱいしたので手取りが20万円になりました」といわれると、どうしたらいいんだろうね。

 年功序列が崩壊したといわれて久しいけど、正社員ならまだ功では評価される(成果主義もまた問題はあるけど)。けど、派遣でやってくる若手に、どうすればこの仕事の楽しさや、満足感を伝えていけるだろうね。

 ところで、ヤマダ電機は実名なのに、「大手精密機器メーカーA社」や「大手家電グループの子会社であるB社」など仮名なのはちょっとひよった?