2008年03月02日

加納朋子 『てるてるあした』 幻冬舎文庫 ★★★ 三婆再登場も、大活躍ならず

てるてるあした

著者:加納朋子

出版:幻冬舎

価格:600円 (税抜)

ISBN:978-4-344-41079-4

評価 ★★★

 父母は初志貫徹して、夜逃げ。クルマで友達巡りの旅に出る。荷物は車に積めるだけ、持って出る。

私も夜逃げするところまでは一緒。その後は母の遠い親戚に身を寄せる。その人は元学校の先生だから、私の今後の進学問題について、相談に乗ってくれるかもしれない。荷物はカバンに詰め込めるだけ。

以上、である。残酷なほどにシンプルだ。(P.31)

夜逃げをして佐々良の三婆の一人、久代のもとに来た照代。自分の不幸に手いっぱいで、周囲に心を開かない照代に発信者不明のメールが届き始める。

『ささらさや』の続編で三婆再登場となるのだけど、照代の視点から描かれた姿はさほど魅力的でなく残念。加納朋子の得意技であってほしい、最後に明かされる周囲の温かさはちょっと希薄。

ちりばめた奇譚も種明かししてくれないし(それが奇譚だといわれれば、そうかもしれないけど)。

ところで、この話はテレビドラマ化されているらしい。Amazonをみるとドラマは意外に好評なので、どういうアレンジなのか観てみようかな。