吉川英梨 『私の結婚に関する予言38』 宝島社 ★★★★ 盛りだくさんで小気味いいテンポ、次回作に期待
P.34まず、「二十九歳で結婚」と英語で書いてある。その下に、クマのような顔に、不自然なほど細くて長い胴体と短い足が四本、そして長い尻尾がついている動物の絵が描いてあった。そんな得体の知れない動物の絵の下に、記号のような文字が書いてある。鳥居をかたどった神社の地図記号をさかさまにしたような文字と、「38」という数字。
以上が私の結婚に関する占いの結果だった。何のこっちゃ。
IT企業の天才型敏腕経営者早瀬隆二に、インドのジャングルで救ってもらった看護婦平沢里香は、彼の後ろ楯で、『はぁとふる訪問介護ステーション』を立ち上げる。やっと経営も軌道に乗ってきた3年目、彼女の周りに現れる「38」の男たちと、親会社の買収危機。一体本当の「38」は誰だ。
「怒濤のジェットコースター・ラブロマンス」のアオリにふさわしい、内容満載で引き込まれるテンポのよさ。『第3回日本ラブストーリー大賞エンタテイメント特別賞』がどれほどの箔かは分からないけど、気軽に読める抜群のエンタテイメント。
ただ、オチがあれであるためには、もうちょっと伏線が欲しかったかな。主人公の勘違いの可能性も高いけど。
著者は初作品らしいので、課題となるのは次回作のデキ。続きでいいので、早めの発表を望む。


