加藤雅之 『イタリアは素晴らしい、ただし仕事さえしなければ』 平凡社新書 ★★★
P.195その日のうちにニュースを報道したり、決められた時間内に交渉をまとめなければならないような仕事をイタリアでするのは、はっきりいって相当つらい。じっくり準備をして臨んで、事前によっぽどのお膳立てができているのでなければ、運を天に任せて、最初から大きな成果は期待しいないでかかるしかない。イタリア在住の同業他社の記者は「イタリアでは『うまくいったらもうけもの』ぐらいの、ゲーム感覚でないと疲れてしまう」と言っていたが、成果主義に傾斜する昨今の日本企業の本部は、そんなイタリア流の仕事ではなかなか納得してくれないだろう。
時事通信社スイス・ジュネーブ特派員によるイタリア評。自称イタリア人としては(行ったこともないのに)望郷の念に駆られるような内容を期待したけど、ちょっと期待外れ。
法王死去やトリノオリンピックでの苦労話はイタリアらしさをよく伝えられていると思うけど、肝心のイタリアの素晴らしさはちっとも読み取れない。どうしてもスイスから見たイタリア像で、イタリアにどっぷりつかった感がないのが敗因かな。
歴史や政治についてはいいんだけど、もっと属人的な内容もほしいところ。
どうせならスイスのことを書けばとは思うけど、記者である著者には、事実以上に、その国に興味を持ってもらえるように楽しく書けるかは疑問。

