山本貴代 『晩嬢という生き方』 プレジデント社 ★★★★ 晩嬢というマーケットの特徴(でも対策なし?)
はじめに(P.3)彼女たちは家族がいないぶん、感情をコントロールしてくれる装置を自分の部屋に求める。自分の部屋を心地よい「癒し城」に仕立てあげていた。自分1人で使うからこそ、石鹸ひとつを吟味して買い、父や兄弟に見られないからこそ下着にも凝る、悪を払い(祓い)幸福を呼び込むための「幸具」をあちこちに飾る、将来を見据えてマンションを購入するなどなど……。パラサイトOLにはない生活とお金の使い方がそこにはたくさんあった。
博報堂生活総合研究所の上席研究員の著者が「東京で働くある程度大きめの会社に勤めている女性だけに」絞ったアンケートによる調査。元からターゲットを絞りすぎているので、社会学的でも経済学的でもないんだけど、マーケット(というか生態)分析として読んでいて単純に楽しい。
「実年齢-勘違い年齢≒6歳」や「もう秘境へ行くしかない」など、見ていて謎だった行動の理屈がわかって勉強になった。
次々と出てくる晩嬢向けサービス案はうなずけるものもおおいけど、わがまま放題のサービス要求は、人格の成熟が遅い自分をまず反省すべきではと、意地悪く思ってしまう。
マーケットとして存在するのは分かるけど、果してどれくらいの規模で、今後継続可能なのかは疑問。30代が一世代上のバブル組を反面教師としているように、20代も30代を反面教師としているから。
もちろん短期に稼げるターゲットを次々と見つけて企業に提供するマーケティング会社としてはまっとうな姿勢だけどね。
残念ながら「晩嬢」は流行語になりそうにないけど、とても気に入った。対象者の前で口を滑らせないように気をつけないと。

