2008年09月21日

樋口康彦 『崖っぷち高齢独身者』 光文社新書 ★★★★ 本音婚活本の傑作

崖っぷち高齢独身者

著者:樋口康彦

出版:光文社

価格:760円 (税抜)

ISBN:978-4-334-03457-3

評価 ★★★★

1章 いますぐ結婚活動を始めよう(P.34)

 ところで、お見合いも、お見合いパーティも、恋愛のプロセスを短縮したものにすぎない。現代人は、たとえ出会いがお見合いであっても、まずその人と恋愛にしてから結婚するというプロセスを求める。きっかけはお見合いであったとしても、相手に恋愛感情を持てなければ結婚を決意できないのだ。

 そういった点では、自然状況であれ、お見合い・お見合いパーティといった人工的な場であれ、男女の営みは同じだといえる。結婚の前には必ず恋愛をしなければならないわけで、恋愛力、異性から好意を持たれる程度の魅力は必須なのである。

 富山で婚活する40代大学専任講師の体験記。5年間でお見合いパーティ114回、お見合い68人の記録。

 これだけの回数、参加するのはもちろん、結婚できないのもたいしたものだと思ったけど、それは地方都市ならではの要因もあるらしい。お見合いパーティは『10回か15回出席すると、出席している異性の半分くらいは以前どこかで見た顔(P.69)』、結婚相談所に登録している女性は『ほとんどが、アルバイト・派遣社員・契約社員で当然年収は驚くほど低い(P.158)』らしい。

 ほとんどの人が、「今は条件を高く設定しているから結婚相手が見つからないだけで、条件を下げればすぐに結婚できる」と思ってるけど、お見合いパーティやお見合いなどの人工的な場ほど、条件がシビアにチェックされるらしい。「また次がある」とあるはずもない余裕を持っているのもいけないのかも。

 内容はもちろん男性視点で、年齢や容姿ばかり気にして、女性には気に入らないことばかりだろうけど(40代大学専任講師っていうのも条件としてどうよ?)、失敗例としてみると小説より楽しい。

 流行の婚活本の一種だけど、理論先行ではなく、お見合いの実際や地方都市の現状など読むところも多い。